「柑橘類や冬瓜を使ったお菓子はドライフルーツのよう。
チーズにドライ無花果を添えるように、チーズやワインと合わせてみては?」
ある女性のひとことから、この企画は始まりました。
食べ合わせてみたところ、予想以上にすばらしい組み合わせ!

ワインやチーズそれぞれに歴史と土地の話があることも、
きっぱんや冬瓜漬けと合わせておもしろい所以かもしれません。

新しい考え方が伝統を守ることがある…
そんな思いも、私達の中に沸きだしてきました。

沖縄で最もにぎわいを見せる市場「牧志公設市場」の裏手、
市場本通りから細い路地に入ったところに「プチット・リュ」はあります。

シェフでソムリエの新屋健一さん(大阪出身)と
パティシエの麻衣子さん(岡山出身)夫婦が
「仕入れには事欠かないし、国際通りからも近く、観光客にも来てもらいやすいのでは‥・」と定めた場所。
でも、'07年のオープン以来、地元の人でひしめきあっています。
窓向こうを、市場ではたらく元気なおばぁたちが行き交う風景の中、
14席の店内で、隣客のお皿の中もよく見える親密ぶりが、まず愉快。
新屋さん夫婦の人柄とあいまって、
「フレンチ」や「ワイン」を身近なものにしてくれます。

個性の強い島野菜。肉のうまみ。ソテーに向いた魚…。
「沖縄の食材はフランスのものと似ているところがある」という新屋さん。
食材はもちろん地元のものを中心に選び、
また、約100種常備しているワインを、より多くの人に、気軽に、おいしく飲んでもらえる環境づくりにも力を入れています。